
メゾンの黎明期より、花は伝統的な装飾要素としてカルティエの作品に採り入れられています。初期のそれは様式化された「ガーランド スタイル」の重要なモチーフとして表現されました。1930年代以降、カルティエはリアリズムに傾倒し、立体的かつ写実的な花のイメージを打ち出すようになりました。ワイルドローズ、アイリス、マーガレット、ユリ、アザミ…。そして花の女王オーキッド。カルティエは、この花の官能的で魅惑的な美しさを無数の輝きで表現した見事な作品を数多く制作しました。パリに住むミューズがカルティエのことを「お気に入りの花屋」と呼んでいたとか…
オーキッド ブローチ
カルティエ パリ、スペシャルオーダー、1937年
ホワイトゴールド、ファセットを施したファンシーシェイプ アメシスト/アクアマリン、石と石の間にペールブルーとモーブカラーのエナメル スタッド
12.55 x 11.38 cm