1920年代以降、ルイ・カルティエの右腕として活躍したジャンヌ・トゥーサンの指揮のもとで、カルティエはハンドバッグやイブニングバッグの創作に新風を吹き込みました。ジュエラーならではの技術と発想、サヴォア・フェールが、女性らしさの象徴であるこうしたバッグに投影されたのです。特にクラスプの部分などは、しばしばバッグとコーディネートされた宝飾品と同様の入念さをもって仕上げられています。また、ポワレ、ルロン、ランバンといった一流ブランドのドレスに合うように、本体部分が錦織り、中国刺繍、ペルシャ刺繍などのバッグも制作されました。

クラッチバッグ

カルティエ パリ、1927年

シルバー、イエローゴールド、マザー オブ パール、コーラル、ローズカット ダイヤモンド、ジェード、オニキス、レッド エナメル(クラスプ)、ブラック エナメル、グリーンのスエード

17.0 x 28.0 cm

イブニングバッグ

カルティエ ニューヨーク、1957年

14Kイエローゴールド、プラチナ、彫刻を施したコーラル、オールドカット/バゲットカット/ブリリアントカット ダイヤモンド、エメラルド カボション、サファイア カボション、ブラック ベルベット

金褐色のサテン ライニング、4つのポケット

マリア・フェリックス(1914-2002年)が所有していたもの

ラテン系のファム・ファタル(運命の女)の典型であったこのメキシコの大女優は、エミリオ・フェルナンデスやジャン・ルノワール、ルイス・ブニュエル監督の映画で圧倒的な存在感を放ち、メキシコとフランスで有名になりました。無類の爬虫類好きでもありました。

18.0 x 17.0 cm

バッグ

カルティエ パリ、スペシャルオーダー、1961年

イエローゴールド、マーキスカット エメラルド、ブラック エナメル、ブリリアントカット/シングルカット ダイヤモンド、ブラック サテン

ニーナ・ムディバーニ王女のイニシャル(彼女への贈り物として制作されたため)
ブラックサテン ライニング、6つのポケット、ミラー、ブラックサテンのカードホルダー

バーバラ・ハットンのスペシャルオーダーにより制作されたもの ウールワースの創設者の孫にあたるバーバラ・ハットン (1912-1979年)は世界で最も裕福な女性の1人でした。1933年6月23日に、 7人の夫の1人目にあたるロシアの王子アレクシス・ムディバーニと結婚。結婚式では、カルティエが制作した見事なパールのネックレスと ダイヤモンドをちりばめたべっ甲のティアラを着用しました。豪華な宝石を愛した彼女はカルティエの最も重要な顧客の1人となりました。

26.9 x 20.0 cm